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写真・図版
鳥取砂丘で絵を描く山下清(左から2人目)、式場隆三郎(同3人目)、吉田璋也(右端)=池内廣吉氏撮影

 放浪の画家、山下清の作品「鳥取砂丘」が、来春開館する鳥取県立美術館(鳥取県倉吉市)に展示されることになった。芸術的な価値だけでなく、県内随一の観光名所である鳥取砂丘の保護に大きな役割を果たした山下の代表作だ。

 「鳥取砂丘」は県外の画廊を通じて、県が726万円で購入予定だ。縦48・4センチ×横91・5センチのペン画で、県は「完成度が高く、緻密(ちみつ)に描かれており、保存状態も良好」としている。展示時期は未定だ。

 鳥取砂丘は戦後、食料増産を目的とした農地化の危機に直面したが、鳥取市の民芸運動家、吉田璋也らによる働きかけによって1955年、約30ヘクタールが国の天然記念物に指定された。

 さらなる指定面積の拡大を画…

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